COLUMN

介護走り書き(連載6回目)

早いもので、この連載も今月で6回目となりました。ということは、読者の皆さんに初めてお会いしてから、もう半年近くになるのですね!当初は、せいぜい2~3回で連載打ち切りかと思っていましたが、心優しい読者の皆さんに支えられ、どうにかここまで続けることが出来ました。これからも温かいご支援・ご声援を、どうぞよろしくお願いします!って、選挙演説みたいになっちゃいましたね(笑)

さて、前回は、私が半年前に実習に行かせていただいた東京の特別養護老人ホーム(以下、特養ホーム)のことを書かせていただきました。その特養ホームでは、介護福祉士が中心となって入居者の自立に向けた専門的な介護を行っていること、また、そこに勤務している介護職員は自信にあふれ、実に生き生きとした表情で働いていたこと、を述べたと思います。そもそもこの話しは、以下(図1)のような仮説から始まったものです。

介護福祉実践における専門性の欠如

やりがいを見失ったり、職場内の人間関係が悪くなる

離職者が増える

図1 専門性からみた離職プロセス(古川仮説)

では、このプロセスを逆に考えると、どうなるでしょうか?図2のようになるでしょう。

専門的な介護福祉実践

やりがいをもて、職場内の人間関係も良くなる

職場に定着する

図2 専門性からみた職場定着プロセス(古川仮説)

私が実習に行った東京の特養ホームでは、図2の状態になっていると考えられます。前号でも触れましたが、その特養ホームでは、何年間もおむつを使っていた方がトイレで排泄出来るようになり、なんと現在は、おむつを使用している入居者がゼロとなっているそうなのです!では、どのようにして、おむつゼロになったのでしょうか?

私は実習期間中、この点について施設長をはじめ、数名の職員の方からお話しを伺いしました。その結果、概ね以下のようなことが大切だと教えていただきました。①施設のトップ(施設長)が方針を明確に打ち出すこと、②おむつをはずすために必要な介護福祉の知識を職員全員が徹底的に学ぶこと、③多くの職種が連携し、チームとして取り組むこと、④事例報告の場を設け、成功事例や工夫した点などを全職員が共有すること。

私は、「なるほど、これならば職場の人間関係も良くなるし、やりがいも出てくるだろう」と思いました。確かに、一部の職員だけではこのような支援を行うことが出来ないため、自然と職員同士のコミュニケーションが良好になります。また、そのコミュニケーションの内容が専門的であるため、「自分は専門職である」という役割の認識がなされていきます。また、入居者の状態が目に見えて改善していく様子を見ることができれば、一層、モチベーションのアップに繋がりますし、その結果を施設内外で発表することで専門職としての自信が生まれます。さらに、私のような外部からの見学者や実習生が大勢来るようになると、ますますやりがいや自信が大きくなっていくでしょう。

このような介護福祉実践が全国の施設で定着していけば、介護の仕事に対する社会的認知も高まり、一般市民の方々から「介護福祉士は専門職だ」と認識されるようになるのではないでしょうか。このような社会的な評価を得ることが出来れば、マスコミ等が話題にする「介護職員の待遇改善」という問題も、より説得力のある議論となっていくのではないか思っています。
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